支出時違法が 合法とは驚き
名古屋市議への費用弁償は、違法な公金支出に当たるとして、提訴されていた住民訴訟の地裁判決が下された。
判決によれば、「支給当時は明らかに違法だったが、10月の条例改正で適法になった」と支出時の違法性を認めながらも、原告の敗訴となった。
一方、「原告の訴訟費用は名古屋市が支払え」とも命じたが、勝訴した被告に費用を負担させるという、誠に理解に苦しむ内容となっている。
私は、この違法な公金支出を、さかのぼって合法化することが、裁判で認められるはずがないと思っていた。それだけに、この判決には大変驚いている。
法律や条例をさかのぼって適用することを合法とするならば、事実上、法律がなくとも、何でも出来てしまう。
例えば、自衛隊がイラク本土に戦闘機で攻撃すれば憲法違反であるが、後で憲法を改正し、さかのぼって適用すれば合法だと言う様なものだ。これではとても法治国家とは言えないだろう。
提訴を受けた名古屋市が、その支出を合法化するために、昨年4月にまでさかのぼって適用させる条例を制定したこと自体が姑息であり、市民の批判を受けているが、それを合法とした裁判所も、国民の常識と大きく乖離していないだろうか。
今回の訴訟では原告が控訴するようだが、当然であろう。支出時に根拠が無いものは違法が常識であろう。